2024-11-20
太鼓せんべい【食暮エッセイ vol.2】
二世帯住宅で育った私は、祖父母と一緒に住んでいた。おやつの時間、緑茶と一緒に出してくれていたお菓子の一つに「太鼓せんべい」がある。甘いの生地に、ピーナツがころんころんと、不揃いに散りばめられている。
このお菓子だけ、ラップのようなビニール素材で、ピタリと密閉されて包まれていることが小学生の頃は不思議でたまらなかった。理由はいまだに分からないけれど、きっと割れないように、ということなのだろう。
小麦粉、卵、お砂糖、ピーナッツ。いたってシンプルな材料に「太鼓せんべい」という名前と不思議なラップのような包みが、たまらなく懐かしい。
甘くてふんわりと卵を感じる懐かしさが無性に恋しくなり、冬の帰り道、スーパーに寄って商品棚から手に取り、カゴに入れた。
ps
七尾製菓のホームページを調べてみると、ピーナッツを自家焙煎していたり、出来立てを届けるためにと受注生産をしていたり。心を込めて、一枚ずつ丁寧に焼き上げられていることを知りました。
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